森口 邦彦 KUNIHIKO MORIGUCHI 昭和16年2月18日生まれ。父森口華弘(かこう)に友禅を学び、昭和42年日本伝統工芸展初入選。44年友禅訪問着「千花」で工芸展NHK会長賞。平成4年芸術選奨文部大臣賞。幾何学文様をもちいるなど友禅に新生面をきりひらいた。日本工芸会常任理事をへて、14年同会副理事長。19年人間国宝。京都出身。
細見 華岳 KAGAKU HOSOMI 大正11年8月23日生まれ。京都西陣で綴織(つづれおり)など各種の製織技術を学び、さらに喜多川平朗、森口華弘に指導をうける。多彩な色糸によって花文や流水文をおり、各種工芸展で活躍。平成3年沖縄県立芸大教授。9年綴織で人間国宝。平成24年1月1日死去。89歳。兵庫県出身。本名は房雄。
中村 勇二郎 YUJIRO NAKAMURA 明治35年三重県鈴鹿市に生まれ、大正3年父兼松について伊勢型紙彫刻修行につく。昭和30年人間国宝に認定され、昭和39年人間国宝新作展出品後、毎年大作を発表。天皇、皇太子へ作品を献上し、昭和58年三重県より県民功労賞授与。昭和60年83歳で死去。
福田 喜重 KIJU FUKUDA 1932年9月26日京都生まれ。重要無形文化財保持者。刺繍では唯一人の人間国宝である。父である刺繍家福田喜三郎に1948年から師事。父からの厳しい指導によって本格的伝統技法を習得した。刺繍作品は主に和服。一越縮緬や綸子地などの生地を使用し、意匠では自然物を流動的に表現し、色糸による刺繍で微妙なグラデーションや細かい作業によって繊細で流れるような曲線を描く。そのため、作品は平坦にならず、奥行きを感じさせる絵柄になる。
由水 十久 TOKU YUSUI 写実的な草花模様が中心の加賀友禅の中で、模様としては最も扱いにくい題材とされる人物画を好み、特に童に対する思い入れは独自の世界観がある。作品の筆書きの冴えには定評があり、本物志向のこの時代に最たるものと言われている。
北村 武資 TAKESHI KITAMURA 正倉院天平裂、有職織物など歴史に埋没する古代織物を真摯に研究し羅(ら)、経錦(たてにしき)などの復元と創作に挑む、北村武資。悠久のロマンが香る格調高い作品の数々を一堂に集めご披露いたします。「羅」「経錦」二つの重要無形文化財保持者。